砂漠 | 伊坂幸太郎 人生に悩みを抱える人に問いかける名作の小説。オアシスを築き挑戦する精神を。




 

どうも、Daichiです。

 

自分の人生ってどうなるんだろう?

大学時代や社会人初期でまだ、目が新鮮なうちは自分の人生に対する疑問が生じると思います。

 

こんな風に感じることができるのは素晴らしいことです。

 

伊坂幸太郎氏の著する「砂漠」を読み、非常に大切な教えを感じ取りました。

備忘録として、留意したい内容をまとめます。

 

ネタバレのため、ご注意ください。

 

信念をバカみたいに信じる

本の中で一際目出す男がいます。

その男は、夢想家のように見えると共に、人生を追い求める冒険者です。

 

名言

『その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ』

 

子供見たいに、バカなことを言っている、と一蹴してしまえば、それで終わるものですが、彼は本気で信じています。

本の中だけでなく、現実の世界においても、何かを成し遂げる人は、クレイジーなほどに、出来ると確信していること。

失敗しても、成功を信じて決して歩みを止めない人です。

 

逆を言うと、そんなバカだけが大きな成功を掴むことができます。

 

今を楽しめる道を選べ

ラストシーンの卒業式で校長先生からの祝辞があります。

その中での先生のコメント。

 

名言

学生時代を思い出して懐かしがるのは構わないが、

あの時は良かったな、オアシスだったな、

と逃げるようなことは絶対に考えるな。

そういう人生を送るなよ。

 

社会に出ると責任感が生まれます。

お金を稼ぐために、支払わなければいけない時間・プライドがあります。

 

そんな時、心の逃げ道として、過去の楽しさ、過去の思い出に浸り、現実逃避したくなるときもあります。

 

しかし校長先生は厳しく、説きます。

オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。

 

辛くても、切り開いていく精神が必要。

 

社会は自由に満ちています。

自由に満ちているはずなのに、多くの人は制約の中で暮らすことになります。

 

私自身、組織の大きな制約の中で疑問に思うことが多々ありました。

その疑問に対して、過去を振り返り逃避していては何も始まりません。

 

砂漠の中に置いても、自分の現状を認識して立ち向かい歩みを進めていく姿勢がないと迷子になり、いずれ砂漠に飲み込まれてしまうのです。

 

わたし達は、守られていた学生生活という、作り込まれた学習システムというある種のオアシスの中で過ごしてきました。

社会に出てからは、オアシスを探しにいくのも、自分でオアシスを築くのも、全て自分自身。

 

自責の念で、歩んでいくことが大切

 

人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである

トニー野中さんの著する本の中では、人間の成幸を、4つのことにまとめています。

 

・人脈

・お金

・時間

・健康

 

全てをバランスよく取ることで幸せに成功する「成幸」を得られるのだと。

その中でも、本書の学長は人言関係にフォーカスしています。

 

この言葉を読み、人生の意味について考えさせられました。

 

将来に何を残したいか。

 

お金か、

棺桶にお金を入れることはできない。

 

時間か、

光陰矢の如し、やりたいことにフォーカスしないと人生はあっという間にすぎてしまう。

 

健康か、

ベッドの上で暮らすだけでも、ある種楽しみ方、世界に接する方法はあります。

しかし、動けるなら動けるに越したことはありません。

 

人脈か、

どんなに成功しても世界に一人だけでは、それは寂しいかもしれない。

 

 

人生の贅沢とは、人間関係における贅沢。

 

お金も時間も健康も自分で作ることは可能です。

しかし、人間関係に関しては自分を抜けて他者とバランスをとる必要があります。

 

だからこそ、校長先生は、その人間関係に関して取り上げているのかと感じます。

 

一期一会とはありますが、1つ1つの出会いを大切にしていきたい。

 

最後に

読んで気持ちの良い小説です。

大学生の日々の生活を、彩り豊かに表現しています。

 

こち亀や、サザエさん、ちびまる子ちゃんのように日常を描く作品は多くありますが、

大学生の日常に焦点を当てた本作は「人生」のあり方を考えさせてくれました。

 

砂漠、私はまだまだ、方向を定めきれず、途方もない道をさまよっているのかもしれません。

最近では、腹をくくってオアシスを築くことを始めています。

 

できあがるであろうオアシスが楽しみです。

 

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