篤き人| 植木博子 『会ってみろ。人生、一段と愉快になる』徳高き人の気品を知る1冊




【本の力:人生これから変えたろか】視点!?

単なる読書感想に加えて、人生これから変えたろか!と本気になれる本ほどポイント高めになる評価方法で点数付けしてます。

詳細な点数の付け方は下部にありますのでご参照ください。

_ ゼネコン大林組創設者をモチーフに小説とされた1冊。 _ 先を視て世の中の動きを読み、創業したい人に参考になります。 _ 主人公は、頭の良さや容姿も掛け合わさり、青年期には現状維持でも十分にやっていけそうでしたが、疑問を感じる日々。 _ 「今、何しているのか?何か違うように感じる」 _ こんなことを感じることはありませんか? _ 生き方も考えさせてくれる良い本でした。 _ 『篤き人』 植木博子 読了 #夢#日常#読書#読書録#読書部#本#読書記録#読書会#読書垢#読書日記#読書好き#多読#読書倶楽部#文化#感謝#幸せ#篤き人#植木博子#夢の方舟

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【本の力:評価】

自立学び:★★★☆☆
人生思想:★★★★★
普遍性 :★★★★☆
読み易さ:★★★
楽しさ :★★★
計:★18

 

*ネタバレを含むため、ご注意ください。

「篤き人」について

植木博子氏の著するゼネコンを立ち上げた男の話。

大林組の創業者をモチーフとして、小説とされた物語。

建設業を始めるさらに前、青年期の頃の話を含み、物語でありながらも、挑戦へのキッカケや商売を拡げるための精神について考えされられる1冊です。

 

・徳の高い人物像を知りたい

・1から何か創業したい

・将来に向けた視点を養いたい

 

こんなことを思っている人にオススメの1冊です。

 

現状に満足しない・社会と未来に目を向ける

本著の主人公、甚五郎の青年期は、17歳、呉服問屋での働きから始まる。

物覚えが良く、信頼の厚い甚五郎は、問屋での仕事で評価されて現状でも十分やっていける状態。

評価もされ、将来有望な社員であるにも関わらず、甚五郎が頂いていた思いは、

 

「わしは今何をしとるんやろう」

「大槻(甚五郎の家)の家を興す。。。。大阪とともに。。。どうにかして立て直すんや。その方法はまだわからん。だが、わしは違うような気がしとる」

 

現状でも周りから十分に評価されているなか、このように考える甚五郎は、日常の生活や自分の時間に対して疑問を持っていたようです。

周りの人からみて見れば、なぜそんなことを考える必要があるのか、目の前の生活を見る人には不思議に見えるのかもしれません。

友人は言います。

 

「お前らどうかしとるぜ。これほど、人に好かれ、今でも十分にやっていけるいうのに、、、」

 

それに対して、甚五郎は言います。

 

「大阪は必ず立ち直る。その新しい大阪と一本につながる商売、それを見つけることができたら、わしは大槻の家を興すことができると思とんのや。

それは呉服屋やろか?わしは違うと思う。他にある。わしはそれを探す。見つかり次第、わしはそれに人生を懸ける」

 

重要なことは、現状に満足せずに未来の方向を視ること。

未来への視点が、のちの大会社の設立に繋がるのです。

 

篤き人のポイント

全ての話が、成長の過程であるため、多くの学びを得ることができます。

中でも、話の中から感じ取れる「篤き人」のポイントをまとめます。

 

責任感が強い

自分の言動に責任をもつこと。

頭になる人には必須の能力だと思いますが、この責任感の強さを感じる点が多々あります。

 

正直である

言動に対して正直であること、義理堅くあること。

これは、信頼を得る上では必須のものだと思います。

信念を曲げず、言動の根拠が人道を外れていなく、正直であることは徳をつける1つです。

 

プライドを捨てる(謙虚である)

自分の道を抱いている人は、それを実現するために必要なことが見えてきます。

たとえ、それが周りから見たら、侮蔑されるような内容であっても。

当時、建設の請負業は、生業として認められていなかったようです。

そんな中でも、インフラの不備が、大阪衰退の要因であると睨んだ甚五郎は、親の反対を押し切り、請負の道を歩み始めます。

 

「お母さん、誇りじゃ食べていかれまへんで」

 

強い意志と、世の偏見に対して立ち向かう覚悟を感じとることができます。

 

学び続ける

甚五郎は、成長の過程の中で、次々と良縁に恵まれ、新分野へと拡大していきます。

彼の特徴は、自分のすごいと思った人には堂々と尊敬を示すところ。

そして、「先生」と呼び、1から10までを吸収するかのごとく取り込んでいく点です。

 

夢は1つ、方法はたくさん

・大槻の家を立て直す。

・大阪を立て直す。

大阪を立て直すことと、大槻の家を立て直すことが1つで繋がっているため、基本的には、夢は1つです。

 

この本を読んでいて思うことは、夢を叶えるための方法は、走り出してみないと分からないということです。

 

本の楽しみを残すために詳細は割愛しますが、甚五郎は事業を展開していく中、多くの異分野の人たちと接することで新たな分野への挑戦・拡大していきます。

 

その内容を、動き出した当初(青年期)の頃に予想ができたでしょうか?

 

そんなことはないと思います。

 

あくまでも物語の話ですが、これは現社会でも同様に言えることだと思います。

私も過去から、夢を持っていました。

あれこれと計画をすることが多く、考えてばかりいて、結局は何も行動ができていない、社会に働きかけられていない、、、こんなことが多かったです。

 

しかしながら、核となる何かアウトプットとして示せるものがないことには何も始まりません。

まずは社会に対して目に見える旗を掲げることが重要なのだと考えます。

 

その後の出会いの中で、面白い内容、広げていきたい内容を見つけることができたら拡げていけば良いのです。

 

夢は1つかもしれませんが方法はゴマンとあります。

まずは自分の旗を掲げる。

 

こんな単純なことが大切なんだと改めて思いました。

 

最後に

「会ってみろ。人生、一段と愉快になる」

 

甚五郎を評して、友人のコメントです。

 

こんな人でありたいものだ

 

この言葉を読んだ私の感想です。

 

憧れを抱き、日々の活動のモチベーションがグッと高まりました。

 

まだ読んでいない方にはオススメの1冊です。

ぜひご覧ください。

【本の力:評価】

自立学び:★★★☆☆
人生思想:★★★★★
普遍性 :★★★★☆
読み易さ:★★★
楽しさ :★★★
計:★18

 

【本の力】点数付けの基準は?

点数付けは、、、

【自立力をつける上で、自己の形成・成長のタメになるか?】という部分にフォーカスしています。

具体的な評価項目は以下の4つです。

  1. 自立(稼ぐ)ための心意気の学びの量
  2. 人生を考えさせてくれる量
  3. 恒久的な思想で一過的でないか
  4. 読みやすいか
  5. 読んで楽しいか

人生を考えさせてくれて、やる気がでる作品ほど高評価にしています。

つまり、

【人生これから変えたろか!と本気になれる本】ほどポイント高めになります。

 

元来、読書好きなので、個人的な好みや著者、作品の歴史によって偏見がのってしまってますが、

「安定思考でずっと動けなかった私」でも自立に至った本(と今読んでも良書だと感じる本)を優先的に選んでいます。

少しだけですが、具体的にどこが良いか各ページでコメントしていますので、参考にしてみてください。